18世紀。
イギリスはヨーロッパの中で最も動物に対して残酷な国だと言われていたけれど
動物愛護運動をまっさきに始めたのも、実は イギリス なんだ。
馬車を引くウマへの虐待
ウシいじめ
クマいじめ
鶏闘
動物を苦しめて楽しむ娯楽は、都市化と関係があるみたい。
産業革命で都市に「労働者階級」ができると、労働者の休日の娯楽として
杭につないだ牡うしに数頭の犬をけしかけてウシが苦しむのを見て楽しむ
ブルベイティング(Bull-baiting:ウシいじめ)
という見世物が盛んになったんだ。
そこに使われていたのが「ブルドッグ」
ブルドッグはブルベイティングのために作られた犬で、牡ウシの唇か鼻にかみつくように訓練されていたんだって。
そんなの・・・

ブルドッグだって 可哀想だぁああああっ!!
自動車のない時代だったイギリスでは、ヒトや荷物を運ぶのは「馬車」。
ロンドンからエジンバラへと通じる道で、暑い夏の日に疲れてヘトヘト。
喉が渇いても水をもらえず、ムチで打たれ続けて力尽きて倒れてしまう馬車ウマが、一日に何頭もいたんだってさ。
と殺場では、ウシを即死させることはなくて、腱と鼻孔に通した鉄鉤で吊るして、首を切り
徐々に出血させて死ぬまで放置。
ウシは断末魔の悲鳴を上げ・・・
ぁー・・・

想像しただけで、具合悪くなるぅうーー。
で。
このままではイギリス国民は将来、残酷な野蛮人になってしまう!!
これは一大事!!
っていうことで「動物虐待防止」の運動がおこったの。
1822年に成立された「家畜の虐待と不適当取扱い防止条例」
これはウマや家畜の虐待の防止を目的とした法律なんだけど、
これが世界史上で最初の、「動物虐待防止法」。
その後、この「動物虐待防止法」は何度も改正されては今日まで続いたんだけど、
世界中の他の国々もこの法律を参考にして、動物虐待法が作られていったんだ。
でも「家畜の虐待と不適当取扱い防止条例」って、長くて覚えにくくて言いにくいから
この法律の法案を国会に提出し成立させた「リチャード・マーチン」ってヒトの名前を取って
マーチン法とも呼ばれているのね。

はい。ここ、テストに出まーす!
マーチン法が成立した2年後の1824年。
ロンドンで動物虐待防止協会が設立。
世界で初になる民間の「動物愛護運動」が始まり、この協会はやがてビクトリア女王から賞賛されると、王立(ロイヤル)の名を用いることを許可。
王立動物虐待防止協会と名前を変えた今も、その活動は継続中。
でもね、ここだけの話。

王室からの資金援助はないんだって。
その後
1835年にはブルベイティングは完全に禁止されたんだ。
産業革命がもたらした当時の弊害として、ロンドンのような大都市にはさまざまな、望ましくない状況が起きていたんだ。
○ 未成年者の就労
○ 監獄の囚人に対する非人道的な処遇
これを改善しようという社会改革運動がおこり、この一連の人道運動のことを
ヒューメイン・ムーブメント。
そう呼んだんだけど、この中には「動物愛護運動」も入っていたの。
英語で
ヒューメイン・ムーブメント
ヒューメイン・ソサエティー
それを直訳で言うと
○ 人道運動
○ 人道協会
になるんだけれど現在では、「ヒューメイン・ムーブメント」.「ヒューメイン・ソサエティー」っていうと
○ 動物愛護運動
○ 動物愛護団体
と呼ばれていて、動物愛護運動は「動物の救済」と「人道教育」これが2本柱となり、19世紀当時の動物愛護運動の基礎となる考え方は
動物を思いやる気持ち、憐み、つまり動物に対する同情。

この考え方は今も変わっていないんだ。
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↑法律だから難しいところもあるけれど、知っておきたい「基礎知識」がいっぱいです。
参考文献:愛玩動物飼養管理士テキスト2級-1
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