【猫の舌】って聞いてまず思いつくコトといえば
そぅ!
なんと言っても舐められるとちょと痛いあのザラザラ!
ですよね。
そのザラザラの正体は、密集したコレ。
このザラザラには名前があるんだよ。
(答えはこのあと)
猫の舌
ザラザラする「舌」の正体
舐められると「ザリジャリ」という音とともに、ザラザラとした感触がクセになる特徴的な猫様の舌。
このザラザラの正体は、体の中に向かってビッシリ生えた無数の突起。
「糸状乳頭」と呼ばれるもの。
糸状乳頭-しじょうにゅうとう-
猫様の舌のザラザラの正体「糸状乳頭」は、小さなボクたちの舌の上になんと!約300本くらいあるんだ。
でもボクたちは、その突起で味覚を感じているわけではないんだよ。
糸状乳頭の役割は、食べ物を上手に掬いあげて口の中に運んだり、全身の毛づくろいをするためのもの。
野生時代には、捕らえた獲物の骨についている肉をキレイにそぎ落としたり、
のんびり「イエネコ」になった今でも、古い体毛や身体についた汚れを落として毛並みを清潔に整えるためのクシやブラシのような役割をしている糸状乳頭ビッチリの舌は、ボクたち猫の「万能ツール」なんだ。
糸状乳頭は、髪の毛や爪と同じケラチンという物質でできていて、毛づくろいをするためのクシの代わりにピッタリ。
でも子猫の頃の糸状乳頭はほんの少ししかないんだよー。
離乳の頃から、少しずつ増えて行くんだー。
糸状乳頭はこれまでとがったトゲのような形をしていると考えられてきたけど、2018年に発表された米ジョージア工科大学の論文によると、実は≪スコップ≫のように湾曲した形をしているって判明したんだって。
(参考: 『Proceedings of the National Academy of Sciences』)
そして糸状乳頭はこれまで考えられてきた単純なまっすぐの≪とげ≫という構造ではなく、
管を半分に切ったような・・・
想像しやすく言うなら猫の爪のようなカタチをしていて、内部に空洞がある構造をしていることが解ったらしいんだ。
スコップのような形をした糸状乳頭は、
「毛管現象」で唾液を吸い上げるということも判明したんだって
ボクたちの「毛繕い」は、ただ汚れを落とすために表面を舐めているだけではなく、
糸状乳頭が被毛の奥深くまで入り込み、皮膚まで到達していることも分かったんだって。
猫は肉球にしか汗腺がないから、ヒトのように汗をかいて体温調整するということができないんだ。
だから皮膚に付着した唾液が汗の代わりとなって、体温調整に役立っているらしい・・・と言うようなことが 『Proceedings of the National Academy of Sciences』には書かれていたよ。
ボクたち猫の舌はヒトと違って、
「食べ物の味を感じる器官」というより【道具】としての役割のほうが大きいんだ
猫の味覚
猫の味覚はやや鈍くて、「うまみ」は感じるけれど「甘み」はほとんど感じないんだ。
ボクたちが野生だったころ、腐ったお肉を食べておなかを壊したりしないように、と
今でも「苦さ」と「すっぱさ」にはとても敏感なんだ。
苦みは、体に害を及ぼす「毒物」の含まれた食べ物を察知するための必要な味覚だから、とても敏感。
酸味も、食べ物が腐ってないかどうかを判断しなきゃいけないから、とても敏感。
猫の味覚の中で「苦味」と「酸味」は最も発達している味覚なんだ。
「しょっぱさ」と「辛さ」は自然界の暮らしでは必要がないから、これもあまり感じない。
ほとんど感じない子もいるんだ。
ボクは、お水の味にもうるさいよ
水の味にうるさいのは猫が一番という説も。
入れたばかりの新鮮なお水より、お外に溜まったお水やお風呂の残り湯を飲む猫様が多いのは、そのほうが塩素が抜けているからなんだって。
ちなみに、熱いものが苦手なことを【猫舌】っていうけれど、猫も実際に【猫舌】。
だって、自然界には体温より熱い獲物がいないから、熱いものを食べることがないんだもの。
だから猫以外の動物も、みんな熱いのが苦手。
みんな「猫舌」。
同じように、冷たすぎるのも苦手なんだよ。
優雅に水飲み
猫も犬も、舌を裏側に丸め、水をすくって飲むんだけど、
犬は舌全体を使って巻きこむようにして、ちょっぴり大胆に。
こぼすお水の量も大胆。
でも猫は、優雅に舌の先だけをちょこと入れて水を引っ張るようにして持ち上げ、一瞬できる水柱の先端を口の中に入れて水を飲むんだ。
1回の動作で飲める水の量はほんのわずかだけど、この動きを1秒間に3から4回ほど繰り返して、高速で舌を動かして上手に飲んでいるんだよ。
でもボク。
そんなに上手にお水が飲めないんだ・・・。
舌の先が水についてなかったり、
舌を「J」の字のように裏側に丸められなかったり、
上に跳ねあげすぎて、鼻にかかったり。
「舌」はコミュニケーションツールでもあるんだよ
仲良しの場合、自分たちでは届かない顔回りなどを舐めたりして「グルーミング」をするんだ。
お互いのグルーミングは「愛情の証」。
ときどき下僕の手を舐めるのも、ボクたちからの「愛情の証」。
最近・・・舐められたことないかも
しつこくやりすぎて、喧嘩になることもあるけどね