実験動物への問題
食用動物への問題
それから
人間に「害」を与えていると言われている
野生動物への問題・・・
ボクたち動物から見れば・・・
害なのは、人間のほうだけどさ
それに加えて今、ボクたちの周りでは自然環境の破壊という問題があるらしい。
それは人類の生存に影響を与えるところまできているんだって。
そう言われると思い当たるとこ、
あるでしょ?
人間が恣意(しい)的に・・・
あ、恣意的っていうのは気ままで自分勝手なさま。
論理的な必然性がなく、思うままにふるまうさまのこと、ね。
人間が恣意的に自然や動物を利用しすぎたせいなんだ。
と、まぁ。そう言ったところで今、ぴんとくるヒトたちは、少ないと思う。
けど、かつて人間は
自然を支配し、利用し、そして動物をも支配し、
利用するためだけに「動物」は存在していた。
この地球上で人間だけが特別な種(存在)ではないのに。
人間も、ボクたち動物も自然の一部で
人間も、ボクたち動物も一部の種にすぎないのに、ね。
動物と【共生】するということ
人間はたしかに「知性」「理性」という面では、
ボクたち動物より優れているかもしれない。
でもボクたち動物の中には
人間より優れた能力を持っている子だって、いっぱいいる。
人間とボクたち動物とでは 感覚 が違う。
それぞれの種には、それぞれの世界があって、
その異なる世界をひとつにして見比べて
ここは人間より劣る。
ここは人間より優れてる。
そうやって優劣をつけることは、難しい事。
なのに
人間には「理性」「知識」があるから、
他の動物たちを支配したり、恣意的に命を奪ってもいい。
なんていうことは、
あってはダメなことなんだ。
人間も、この地球上では「自然の一部」で動物という「種」の一つなんだから。
互いに依存しあって生きているんだ
イギリスの哲学者ハーバード・スペンサーはね
誰でもこの制限された自由を持たなければならない。
この制限された自由を持つことは、正しいことである。
そしてこの制限された自由はいくつかあり、
そのいくつかの制限された自由を「権利」と呼ぶ。
そう言ってるんだ。
制限された自由。
それは人間も、動物も、同じように持っている。
「ヘンリー・ソルト」も同じこと言っていたね。
どの種の生き物だって
他の生き物に依存しなきゃ、生きていけないよね。
ライオンさんは、シマウマさんたちを食べたりする
蜘蛛さんは、他の虫さんを捕まえて食べる
クジラさんは、他のお魚さんを食べたりする
人間も
人間以外の動物たちに依存しなければ、生きていけないんだ。
それは解ってる。
食用の動物は人間が作った動物。
肉食の習慣は、人間の食生活から切り離すことはできない。
今日の医学の進歩も
動物実験なしでは・・・ありえなかった。
パートナーとして共に生きる
ボクたち「ペット」と呼ばれる愛玩動物は、人間たちに寄り添う事で心を癒し
盲導犬や聴導犬、介助犬は体が不自由な人や高齢者を手助けし、
健康の回復のために役立とうとしている
そぅ。
ボクたちはパートナーとして、共に生きている。
って、そう言われても、それでも現実問題は
「利用している」
「利用されている」
って、なるんだけれど。
だって、「利用されている」ボクたちだって
ボクたちが飢えず生きていくために「人間を利用している」んだ。
それは「良い・悪いの問題」ではなくて、
そのことをちゃんと認めなきゃ、ダメなんだよね。
かといって、むやみやたらに利用したり、殺したりしたら、
それはやっぱりダメなことだけど。
動物たちに道徳的に配慮して、必要最小限に利用させてもらう。
その努力をすることが、大事なことなんだ。
道徳的に配慮するということ。
動物たちの立場を思いやるということ。
思いやりと、同情。
西洋でも日本でもそれは「美徳」ってされていて、相手の立場に立って、相手の感情を感じ取ること。
それは人間ができる「能力」のひとつなのだから。
感情移入が出来る「人間」だからこそ
同情より一歩踏み込んで、動物の立場になって考えて
「こんなことをしたら、動物はどんな気持ちになる?」
もし、自分たちが動物だったとして、
今、自分たちがしていることを自分にされたら
「自分だったら、どう思う?」
その感情移入ができる人間だからこそ道徳的な配慮ができるはず。
強い立場のものが弱い立場の側に立って、相手を理解して思いやること
この世界で、すべての動物が共生していくには、本当に必要な事。
みんなが同じように想えたら、人間同士の「いじめ」だって、なくなるんだけどね。
ボクたち動物は人間のように「しゃべる」ことは出来ないけれど
ちゃんと痛みや苦しみを感じることは、出来るんだ。
動物と人間の関係を論じる現代の哲学者さんたちは
幸福に生きられるように配慮しなければならない。それが理性的存在というものであり
道徳的判断のできる「人間の義務」なんだ
と言い、かつて和辻哲郎さんは彼の著書、「倫理学」の中で
たえず共同性を実現する共同存在としてある。
こう伝えている。
依存関係にある動物たちには、最小限の侵害にとどめるように努力しなければならない。
それが共生するという事。
小さな地球の上で
ボクたちが共生していくために大事なことなんだ。
参考文献:愛玩動物飼養管理士テキスト2級-1