宇宙-sora-物語|宇宙-sora-が生きた日々の記憶16|獲物を捕まえた!はずが・・

ボクの生きてきた日々

 「狩り」は猫の本能だから

ボクの小さなお友達

今はすっかり、あっちこっちに「人間の家」が建ってしまったけれど
ボクがこのお家にきたばかりの頃は、草の生い茂る空き地が多かった。

ボクは、その中に住む小さなお友達と遊ぶのが楽しかった。

小さなお友達と遊ぶボクを「残酷」と思う人もいるけれど
これは、ボクたち「猫」の本能だから・・・仕方ない。

ボクはよく、
カヤキリさんや、カナヘビさん
セミさんやスズメさんを追いかけて遊んだ。

ちょっぴりだけ、どんくさいふりをするボクは、
なかなか、捕まえることができなかった。

おかーちゃんは、ボクが気づいてないと思っているけど
ボクは知ってるよ。

ボクが小さなお友達を捕まえると、おかーちゃんは
「すごーぃ!つかまえたの?!かっこいい~」と褒めながら

ボクが「とどめ」を差しちゃう前に
お友達をこそーと逃がしていたこと。

ボクはまた褒められたくて、次の日も、小さなお友達と遊んだ。

ちゅかまえた!

暑い夏も終わりに近づき、夕方に吹く風が心地よくなってきたある日。

その日もボクは、家の近くの空き地で「カナヘビ」さんと遊んでいた。

おかーちゃんはよく、ボクが生い茂る草の中に顔を突っ込んでいると、「小さなおじさんと遊んでいるの?」と声をかけてきたので、
ボクはてっきり「カナヘビ」さんが「小さなおじさん」というお名前だと思っていた。

だけど、おかーちゃんは目が悪く、カナヘビさんが見えていなかったらしい。

おかーちゃんの言う「小さなおじさん」って、ボクにしか見えていない「妖精」さんがいると思っていたみたい。

・・・アホだよね。

おかーちゃんはボクが飽きるまで、いつも傍で、じーっと、待っていてくれた。

「いいから、ちゅかまれ!」

ボクは、カナヘビさんに言った。

「やなこったぃ!」

ボクとカナヘビさんのにらめっこ。
どれくらいの時間が経っただろう。

あたりはすっかり夕暮れが進み、ほんの少し薄暗かった。

「えいっ!」

ボクは思いっきり、生い茂る草の中に頭を突っ込み、口を大きく開けた。
閉じた口の中に、手応えがあった。

「やった!カナヘビさんをちゅかまえた!」

ボクは、ばーちゃんにも褒めてもらいたくて、カナヘビさんを口にしっかり咥えながら、しっぽをピーンと立てて意気揚々と家に向かって駆け出した。

・・・が、何かが変だ。
咥えたそれは、ずるずると妙に長い。

急いで家に向かって走るボクに、おかーちゃんが後ろから声をかける。

「宇宙-sora-くぅ~んっ、それ、違ぁうーっ。それ、ただの草だよ~っ」
草の中から、カナヘビさんがせせら笑う。
「へへーん、ばか猫ーぅ」

・・・はぁ~。

ボクは溜息と一緒に、口に咥えた長ーい草を足元に落とした。

あの日のボクの落胆ぶり。
おかーちゃんの目に今でも焼き付いているらしい。

もぅ・・・忘れてくれないかな。

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