
ボクのお鼻、可愛いでしょ。
おかーちゃんは、しょっちゅう
ボクのお鼻をぷにっ♡って押すんだ。
だから、ぉかーちゃんが指を伸ばしてきたとき
ボクのほうから【どんっ☆】って押し返しているんだ。

そんなボクたち猫の鼻は、高性能!
犬ほど注目されていないけど、猫の嗅覚もなかなかのすぐれもの。
だって猫にとって「ニオイ」は判断材料の大事なひとつなんだもの。
今回は、そんなボクたちの【お鼻】
結構スゴいんだよ!っていうお話。
猫のお鼻のお話。

お鼻の構造
ボクたち猫や、お友達の犬の鼻の穴【外鼻溝】には横に切れ目が入ってるって、知ってた?
でもこれは、なんとなく切れているわけじゃないんだ。
鼻の上にある【上唇挙筋】って小さな筋肉を収縮させることで、鼻をヒクヒク開閉させることで、正面からだけでなく、横からも空気を取り込むことができるんだ。



ボクがこのお家に来るずっと前、この切れ目に【ノミ】をはさんでいた子がいたんだって。
鼻の中央から口にかけて入っている一直線の溝のことは【上唇溝】
鼻先の被毛がない部分は、【鼻鏡】。
リラックスしているときや、寝ているとき、寝起きのとき以外のボクたちの鼻鏡は湿っているんだ。
これは、鼻腔内にある腺からの分泌液によるもので、
鼻が湿っていることでニオイ分子が嗅細胞に吸着しやすくなるという効果があって、つまり湿った鼻が嗅覚を助けるの。

逆に言うと、
鼻が乾いているとニオイを感知しづらくなってしまうということなんだ。

お鼻が乾いているときは、ボクたちは眠たいーのサイン。
だから、構わないで寝かせてねー。

猫様が起きているとき、空気の乾燥でお鼻が乾くこともあるのですが
そうじゃないときのお鼻の乾燥やひび割れには注意が必要です。
激しいくしゃみ、膿のような鼻水が出ているときは病気の可能性も。
すぐに動物病院で受診してくださいね
嗅覚はヒト以上犬未満
ということは
この【嗅覚受容体】の数が多ければ多いほど、嗅覚に優れている、ということに。
鼻腔内の天井部分にある【嗅上皮】と呼ばれる粘膜に覆われた層のがあって、【嗅覚受容体】と呼ばれる匂いセンターが空気中のニオイ成分をキャッチすることで、【匂い】を感じているの。
その【嗅覚受容体】の数は、ヒトの場合1000万個ある、といわれているけれど

ボクたち猫はにゃんと、この小さなお鼻に6500万個!
ヒトの6倍もあるんだ~。
ちなみに「犬」の場合は犬種によってさまざま。

ジャーマンシェパードには2億個あるって言われているみたいよ
【嗅覚】はその嗅覚受容体と表面積などによって決まり
猫はヒトの1万から数10万倍の感度を持っている。とも言われているのです。
でもそれは、ヒトよりも1万倍も強烈に臭いを感じるという意味ではなく、
空気中に漂っている匂い物質の濃度を、
ヒトが感知できる最低濃度の 1/10,000~1/100,000というわずかな量でも感知できるということなのです。
ちなみに、嗅上皮の面積は
ヒトでは2㎠から4㎠
猫では20㎠
犬では150㎠
つまりボクたち猫の嗅覚は犬よりは劣るけど、
ヒトよりは、はるかに優れている、ということに。

ボクたち猫にとって【匂い】はとても大事な情報源!
猫の嗅覚は、赤ちゃんの頃からすでに発達。
だから生まれて間もなく目が開かない間も、母猫の居場所やおっぱいの場所を「匂い」で探して見つけることができるのです。
ニオイで情報収集
視力のあまり良くない猫にとって、嗅覚は聴覚と同時にとても大切な感覚。
この食べ物、腐っていない?
縄張りに侵入者がきてないか?
危険なものはないか?
生きていくうえで必要な情報を、嗅覚から集めているんだ。
猫は、お皿に入った「ごはん」を、必ず匂いを嗅いでから食べ始めるんだけど
匂いのしない「ごはん」には見向きもしない。
それは、【匂い】によってそれが【安全な食べ物?】かどうかを判断しているから。
「おいしいっ!」ということより「匂い」のほうが大事な猫にとって鼻が詰まってしまうということは、食欲がなくなり、「ごはんが食べられなくなってしまう」という、大変なことになるのだ。
つまり
犬は優れた嗅覚で獲物の居場所を突き止めるけれど
肉眼や鋭い聴覚によって獲物を見つける猫の場合の嗅覚は、獲物を発見するためというよりも、
なわばりの確認のためや、目の前にある食べ物が「これ、食べることが出来る??」という最終確認のためのものなんだ。
温度センサー
あと、ボクたち猫は、鼻で温度を測っているんだ。
ボクたち猫の鼻は温度センサーとしての役割もあって、ヒトの皮膚と同じように、猫の鼻にも温点と冷点があるの。
人が手をかざして冷たさや熱さを感じるように、
ボクたち猫は鼻で温度を感じていて、気化熱の左右差を感知することで風向きを感じているんだ。
もちろん体の皮膚でも温度を感じることができるけど、いっぱいの毛で覆われているから、鼻のほうが温度を感じやすいんだ。
第2の嗅覚「ヤコブソン器官」
ボクたち猫の嗅覚器は、鼻以外にもう1つ
鼻腔と上顎との間に、左右一対「ヤコブソン器官(鋤鼻器・じょびき)」という嗅覚器があるんだ。

実はヒトも生まれた直後はあるらしい。
っていう話なんだけど、退化しちゃったんだって。
猫や犬などほかのさまざまな哺乳類では発達している器官で、互いのコミュニケーションには欠かせない物質【フェロモン】を感知するために特化。
フェロモンは、縄張りの主張や発情のサインなどに使われているの。
また、ボクたち猫が酔ったように独特の反応を起こさせるマタタビやキャットニップを嗅ぐのも、ヤコブソン器官の働き。
どちらも、ヒトには感じることのできない匂い。

そんなヤコブソン器官は、口蓋の上にあるんだよ。
よくボクたち猫が匂いを嗅いだ後に、口をパカーぁッと開けて、
ちょっと間抜けた表情をすることがあるけれど、
これはヤコブソン器官に通じる開口部を開けて、フェロモンを送り込もうとしているしぐさ。
って、考えられているんだ。
これがよく聞く【フレーメン反応】って、やつね。
猫には危険!NGなニオイ

実は、猫にとって危険な匂いがあるんだ
それはアロマ。
リラックスしようねぇ~♪って、
ボクたち猫と一緒にアロマセラピーをしようって考える人もいるだろうけど
鼻や口から吸引された精油成分は、最終的に肝臓で代謝されることになっているんだけど、
ボクたち猫は、精油成分に対する代謝機能が不完全。
急性中毒を起こしたり、徐々に蓄積されて肝不全を起こす可能性もあるんだ。
精油成分は皮膚からも吸収。
だから、お部屋にアロマを充満させるだけじゃなくて、
アロママッサージやアロマシャンプーにも注意してね。