これまで元気で過ごしてきた猫も、ヒトと同じように年を重ねるにつれて身体に不調が出てきやすくなります。
私は獣医ではないので、あれこれ書けるほど詳しい知識はないけれど
「いつもと違うこと」に早めに気づいてあげることができ、そして早めに治療してあげれば重症化しないですむ病気もあるのです。

そのためには私たち「育ての親」が愛する我が子(猫)の異常に素早く、ちゃんと気付いてあげることが大切になります。
大切な我が子の小さな命を守ってあげるためにも
少しでも長く、大好きな家族と一緒に過ごすためにも
いつもと違うその【異常】はどんな病気の可能性があるのか?をお伝えしますね。
ボクたちを守ってね
猫歴40年の間にうちの子たちが経験してきた病気より
猫風邪
「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」「クラミジア感染症」
これらが「猫風邪」と言われている感染症になります。
猫同士の接触・くしゃみなどで感染してしまい、ウイルスや細菌の種類で症状に違いがあります。
外で暮らす猫たちの多くがこの病気にかかっていて、生まれた時に親や兄弟たちから感染してしまいます。
感染力が強い病気なので、もし先住猫がいる時に外から連れてくる場合は、先住猫と接触する前に動物病院で検査したほうが良いでしょう。
仔猫が重症になると命にかかわることも。
混合ワクチンで予防が可能な病気です。
接種する時期やワクチンの種類は、かかりつけの獣医さんに相談しましょう。

当時はまだ動物病院があまりない時代だったので、ワクチン接種の必要性も解らず、
鼻水と目ヤニでぐちゃぐちゃになった顔が今でも記憶に残ってます
尿路結石症
結石が尿道に詰まってしまい尿が出せない状態が長時間つづくと、尿毒症を起こしてしまい命を落とすこともあります。
結石の種類で比較的若い猫が発症しやすい「ストルバイト尿結石(約10mmの結石)」、中高齢の猫が発症しやすい「シュウ酸カルシウム尿結石(約1mmの結石)」に分けられます。

ある日「ちゃっとん。」が
おトイレからなかなか出ないなーぁと思って様子を見ていたら、
そのうち歩いていたり座っているときにジワジワおしっこが漏れ出る状態になり、
病院に連絡を入れたところ
「そのまま詰まると尿毒症になって死にますよ!今すぐ連れてきてください!」と言われ、慌てて連れていきました。
それから「尿路結石」の療養食を食べさせているので、症状は落ち着いてます。
オルファクトリー(olfactory)とは「嗅覚の」を意味する言葉。
オルファクトリーシリーズは香りにこだわりが強い猫のために、食欲をそそる独自の香り組成に調整しているそうです。

「膀胱炎」も似たような症状を見せます。
時間をおかず、何度もおトイレに入りたがります。
最近は「さとっち。」が膀胱炎に。
ちょびちょびと出ていたのですが、
すっきり出せないようで、砂を必要以上に掻きだしていました。
よく見れば、砂にわずかに「血」がついていたことも・・・
やはり、処置が遅れれば尿毒症になり命を落とすこともあるようなので
少しでも異常がみられたら、急いで獣医さんに診てもらってください
腎不全(腎臓病)
食生活や肥満、老齢などによって腎臓の機能が落ち、血液中の老廃物をうまく捨てられなくなることによって体にさまざまな影響が出る病気です。
多いのは「慢性腎不全」だと言われていて、メインクーン、アビシニアン、シャム、ロシアンブルーなどの純血種がかかりやすい病気と言われていますが、猫種に関係はなく高齢猫で多い疾患と言えます。

うちの子(アメリカンショートヘア)は、最初のワクチン接種の前に血液検査をしたところ、数値の異常が見つかり「腎不全」の可能性がある、と言われました。2年ほど、食事療法で様子を見ていたのですが、この10年ほど、数値はずっと安定していたので普通の食事をしていたのですが、今またちょっぴり危険な状態に・・・。
病気の進行をできるだけ抑え、症状を緩和するために食事療法や投薬、点滴などを行います。

こちらが腎臓に配慮した療養食になります。
スペシャルは「粒」がやや小さめなので
高齢になって歯が少し弱った猫様が食べやすいサイズです

ロイヤルカナンの食いつきが悪くなった時、
ヒルズも食べさせてみました。
こちらも粒が小さくてよいのですが、
少し油分があるようで、ちょっとベタベタします
毛玉症(★これ実は結構コワい!)
被毛は消化されるものではなく、胃の中で絡まりあって大きくなったものを「毛球」と呼び、小さな毛球であれば小腸、大腸を通りウンチと一緒に排出されます。
ですが毛球が排出されず胃の中でどんどん大きくなってしまうと、胃や腸に刺激をあたえて吐き出してしまうことになります。
吐き出せるくらい量であれば問題はないのですが、毛繕いの頻度が多く、飲み込んでしまう被毛の量が多くなると、毛球は吐き出せない大きさになってしまうこともあります。
吐き出せなくなると内視鏡で摘出したり、開腹手術で胃から毛玉を取り出さなければならなくなります。
また、長く細い消化管の小腸で詰まってしまった場合、腸閉塞になります。
腸閉塞は、腹部に強い痛みを伴い、食べた物も通過できなくなってしまうので頻繁に嘔吐し、次第に食欲がなくなります。
放っておくと毛球が詰まった部分の腸の血行が悪くなり、腸に穴が開き、腹膜炎を起こして死に至るケースがあります。
たかが毛球と思われがちですが、実は怖い毛球です。
毛球が吐き出された後も吐き気が残っているような場合は、制吐剤・消化管保護薬で処置します。
吐き出せない毛玉がある場合は、毛玉の大きさや場所によって、内視鏡での摘出か、開腹手術での摘出になります。
普段からブラッシングを行い、猫自身による毛繕いの回数を減らしてあげることにより、胃の中に入る被毛の量を減らすことで予防することができます。
食物繊維を適度に配合した「毛玉ケア」の食事を与えることでも予防できます。

実は宇宙-sora-がこの病気に。
当時はこの病気のことを知らず、吐きたくても吐けない感じが続き、
そのうちご飯も食べたがらず、元気もなくなってしまい、点滴で栄養を・・・。
1週間ほど、ほぼ毎日のように動物病院でレントゲンやCTで調べてもらったけれど、なかなか「異常」の原因が見つからない状態が続きました。

ところがある日、
突然ウケウケし始めたと思ったら、レントゲンを撮るときに飲んだバリウムにまみれた親指2本ほどの毛球を吐き出し、びっくりしました。
これは、レントゲンで写らないこともあるようです。
無事に吐き出せた後は体調もケロリと戻りました。
宇宙-sora-は、今は腎臓のほうが悪く、腎臓の療養食を食べていますが
うちの子が食べていた毛玉ケアフードです。
今は、別の子たちが食べています。
耳ダニ(耳疥癬-みみかいせん)
耳垢を分泌させる腺が刺激されてしまい耳垢がたまり、ダニの排泄物が合わさってしまうことで、耳の中が汚れてしまいます。
ダニの吸血時の傷や、耳垢でかゆみを引き起こします。
すでに感染している猫に接触することで、感染してしまいます。

今の子たちの前に居た子の時は、お外へ自由に出入りしていたこともあり、
お耳の掃除をおこたってしまい、ある日、頭を振ったときに
「キクラゲ」のような黒く大きな塊が耳の中から飛び出して発覚しました。
結膜炎
クラミジア・マイコプラズマ・サルモネラなどのさまざまな微生物や細菌などの病原体の感染が原因となる場合も。
角膜炎やドライアイ、流涙症といったほかの病気から引き起こされることもあります。
悪化すると、目から膿のような分泌物が出ることもあります。
目薬だけでなく、「眼軟膏」という抗生物質が入った軟膏タイプの薬を使うこともあります。
目ヤニや目の周りが汚れている場合は、適度に目の周りを拭き、清潔に保つことが必要になります。
強くこすったり、無理に目ヤニをはがしたりすると、かえって目を傷つけることがあるので注意が必要です。

これも割とかかりやすい病気です
注意して見てあげてくださいね
猫エイズ
ネコ免疫不全ウイルスの感染による免疫機能が原因の諸症状です。
一度ウイルスが猫の体内に入ってしまうと、ウイルスを消滅させることは不可能です。
感染初期は風邪に似た症状を発症し、その後しばらく無症状の状態が続きます。
ですが限度を超えると一気に「口内炎」「目ヤニ」「鼻水」などの症状を発症し、やがて「下痢」が続き、死に至ります。
仔猫でも感染している場合があるので、外から迎える場合は一度、検査しておいたほうがよいでしょう。
発症した症状に対し、その症状の緩和させる対症療法が主となります。
口内炎を発症し痛みや腫れがある場合に抗炎症剤や鎮痛剤の処置を行う、といった感じです。
ウイルスを保有する「キャリア」の猫とのケンカや交尾が主な感染源なので、キャリアの猫と接触させないこと「完全室内飼育」で予防が可能になります。

小学生のころと20代のころ。当時一緒に暮らしていた猫さんがこの病気になりました。
まだ、猫さんたちが自由に外を歩き回っていた時代です。
最期のほうは日増しにやせ細っていき、見ているのがつらかったです。
今でも時々、この病気にかかっているだろうと思われるノラ猫さんが、我が家に最期のご飯を食べに来ることがあります。
猫白血病
白血病のほかに、免疫不全や貧血、リンパ腫などの病気を引き起こすことも多くあります。
発症した場合には完治することは困難で、数カ月から数年で死に至ります。
食器の共有や体の舐めあいなど長期間の密な接触・唾液・涙・尿や糞便などに含まれたウイルスが口や鼻から入ることで感染する病気です。
母猫が感染している場合、胎盤や、母乳を介して感染したり、仔猫をグルーミングしたときの唾液から感染してしまうこともあります。
ただ、感染した猫のすべてが必ず発症するというわけではなく、もしほかの猫から感染しても、感染初期であれば、年齢や健康状態など免疫機能によってはウイルスを体から排除できる場合もあるようです。
感染したウイルスを直接退治し、排除する方法は現在ないよう症状に対する対症療法になります。
感染初期であれば、抗生物質の投与など、症状に応じた治療になります。
無症状や潜伏感染の場合、栄養をとったりストレスを与えないなどの飼育管理になります。どんな治療がベストなのか?その時の症状に応じて、かかりつけの獣医さんに相談してください。
糖尿病
遺伝や、ほかの病気の影響・肥満・年齢などが原因と言われています。
放置しておくと合併症を引き起こし、命にかかわることも。
かなり進行した状態で、ようやく気付くことが多く、数日で亡くなるケースもありますが、早期発見できれば長く付き合える疾患になります。
まとめ
他にもまだいろいろな病気があります。
本を読んだり、ほかのサイトを見て調べることもできますが、私は「獣医」ではないので、
今ここではうちの子と一緒に経験した病気だけをお伝えしました。
(経験のないことは、「こうだ」と自信(責任)をもって書くことができません。)
病気の中には、簡単に治るものから
【猫エイズ】【腎不全】【糖尿病】など、発症してしまったら一生つきあっていくしかないものもあります。
ですが、早期発見で早めに治療・ケアしてあげることができれば、
ともに、穏やかに過ごせる時間を少しでも長くしてあげる可能性が高まります。
そのためにも毎日ちょっとずつでも、愛猫の行動をよく見てあげてください。
食事の量や食べる勢い、睡眠時間、おしっこやウンチの量やニオイ・色、遊ぶ様子など、
普段の「健康な状態」を知っておくことで、ある時ふとした異常にも気づきやすくなります。
また、定期的な健康診断(血液検査)でも早期に発見することができます。
「あれ?」と思ったときにいつでも相談するためにも、
信頼できる、かかりつけの獣医さんも見つけておきましょう。
ペット保険に入っておくのもおススメ
ペットの医療費はかかった病気や選んだ動物病院によっては、思っていたより高額になることがあります。
いざというときのために、保険に入っているのも良いかもしれませんね。