いきなりですがここでクイズです!これは、前の足?後ろ足?
猫好きさんなら、簡単にわかるはず。
ちちちちちちちちちち・・・。
正解は 前の足!
猫の後ろ足は、これ。
どぅ?前の足と後ろ足との違い、解るかな?
ボクたちのチャームポイントで人気のあるパーツのひとつ【肉球】は実は俗称で、正式には「蹠球(しょきゅう)」って言うんだ。
さらに肉球は、部位によって細かく名前がついているんだよ。
肉球それぞれの名前
肉球にはそれぞれ、ちゃんとした名前があるんだ。
ねこの肉球それぞれの名前
しかも同じ肉球なのに、実は「前の足」と「後ろの足」では、呼び方が変わるのです。
指の部分の肉球
〇前の足は、指球(しきゅう)
〇後ろ足は、趾球(しきゅう)
呼び方は一緒だけど、漢字が違うんだ。
中央の大きな肉球
〇前の足は、掌球(しょうきゅう)
〇後ろ足は、足底球(そくていきゅう)
後ろ足の肉球は「趾球(しきゅう)」と「足底球(そくていきゅう)」だけ。
秘密?!の肉球
実は、前の足には後ろ足にはない【肉球】があるんだよ。
これが冒頭のクイズの答え
「前の足」と「後ろの足」を見分けるヒントになる部分なのです。
【手根球(しゅこんきゅう)】って呼ばれる、人間でいうところの手首のあたりにあるやつ、ね。
この肉球があるか?ないか?で、前足の肉球なのか?後ろ足の肉球なのか?が分かるんだ。
あと、もうひとつ。
実は「前の足]にだけあって「後ろの足」にはないものがあるのです。
それは人間で言うところの親指という感じで、他の4つの指球とはちょっと離れた場所にあるもの。
【狼爪(ろうそう)】と呼ぶんだ。
ぷにぷにした猫の肉球
自慢の肉球は、実は多機能なのにゃ~♪
肉球の役割
★クッションなのにゃ!
中心にある大きなものと、その外側に並ぶ小さなもので構成されていている、ぷにぷに弾力のある肉球。
飛び降りるときの衝撃を、最小限に抑えるクッションの役割があるんだ。
高いところから飛び降りてもケガをしないのは、このぷにぷにとした肉球のおかげ。
ちなみに。
肉球を覆う皮膚(角質層)の厚さは約1.2mm。
地面と接する部位なので他の皮膚と比べて厚く、ちょっとやそっとのことでは傷つかないようになっているのです。
この厚くて丈夫な皮膚のおかげで、足の裏を痛めたりすることがないんだ。
皮膚(角質層)の下には、「弾性繊維」という弾力性のある繊維と「脂肪」が詰まっていて、肉球のぷにぷに感はこの「弾力繊維」と「脂肪」によるものなのだ。
★足音を消すのにゃ!
気づいたらいつの間にか背後にいて驚いたこと、あるでしょ。
ボクたちは忍び足が、超~得意!
これも肉球のおかげ。
ぷにぷにの肉球が消音の役割を果たして足音を消してくれるから、獲物に気づかれずにそーっと近づけるのだ!
★滑り止めなのにゃ!
肉球には毛が生えてなく汗腺があるから、しっとりと湿っているの。
だから滑りやすい場所でもツルっ☆と滑って転ぶことがあまりなく(でも、たまにはある)、急な方向転換が得意なのにゃ♪
★体温調節するのにゃ!
汗腺があるということは「汗をかく」ということ。
汗をかくということは、「体温調整をしている」ということ。
肉球で汗をかくことで、暑さや寒さに対応して体の機能を正常に保っているんだよ。
猫が汗をかける場所は、この毛のない肉球だけなんだ。
また、この汗腺は交感神経によりコントロールされていて、緊張したり不安を感じると、たくさんの汗が出ちゃいます。
病院に連れていかれる時のボクの肉球は、いつもよりびっしょりなのだ。
★ブラシの代りなのにゃ!
直接舐めることができない顔の毛繕いにも、肉球は大活躍!
ぺろぺろと肉球を舐めて、口の周りや被毛の汚れ、ヒゲの湿り気を、ブラシのように使って器用に取り除いているんだ♪
ほかにも、肉球を上手に使うことでモノをつかんだり、しがみついたりすることもできるんだよ。
どぅ?
ボクたちの肉球って、結構スゴいでしょ?
家の中で暮らすボクたちの肉球はぷにぷにっと柔らかいけれど、外で暮らす猫たちの肉球は、ゴツゴツした場所や熱い場所、冷たい場所などを歩かなきゃだから、家の中で暮らすボクたちより硬いんだ。
あとね、肉球は温度に敏感だから「水?」「お湯?」って確認するために、足先を瞬間的に浸すこともあるんだよ。
肉球のケア
猫は毛づくろいをするとき、肉球も舐めてキレイにするので、ヒトによるケアはあまり必要がないです。
また猫の肉球はとてもデリケートな部分なので、触れられることを嫌がる子もいます。
とはいえ、あまり気にしないでいると乾燥してカサカサしたり、ひび割れたり。ということも。
ひび割れを放っておくと、出血してしまうこともあります。
むやみに触りすぎるのは良くないですが、毎日そっと触れて確認することも大切です。
肉球は再生能力が低いうえに、つねに地面に触れる部分なので治りにくいため、歩くのを嫌がるようになってしまいます。
もし乾燥していたら、保湿用のクリームが市販で販売されているので、塗ってケアしてあげましょう。
最近のクリームは質のよいものが多いですが、無添加のものや、舐めても問題ない安全なものを選んでくださいね。
舐めるとおいしいと感じるクリームもあるようです(苦笑)
また長毛種の猫は、肉球の間から伸びた毛が出てきて滑りやすくなり、転んでケガをする恐れがあるので、定期的に毛のカットが必要です。
肉球が教えてくれる病気のサイン
肉球に触れることは、平熱を確認するための目安にもなります。
もし肉球がいつもより熱くなっている場合は、発熱の疑いが。
色が薄くなっている場合は貧血の疑いがあります。
肉球を触れてみて「いつもと違うなぁ」と思ったときは、早めに病院へ連れて行ってくださいね。
まとめ
見ているだけでも癒される魅惑の「猫の肉球」は、そのカワイイ見た目や、ぷにぷにとした独特の感触だけでなく、猫にとっては大切な役割がいっぱい。
また体調管理にも役立つ肉球ですが、とてもデリケートな部分でもあります。
猫は肉球に触れられることを好みません。
つい触っていたくなる肉球ですが、嫌がるときは無理に触らずほどほどに。