企業で働き、人間関係に疲れ・・・
「大好きな猫に囲まれて、きままに猫カフェをやりたいなぁー」と思っても、
実は簡単には開業できないって、知ってましたか?
施設の準備から、資金の調達、営業許可の申請手続きはもちろんのことですが
そこはさておき。
この記事では、
猫カフェの開業申請に必要な「動物に関する資格」についてお話ししたいと思います。
「脱サラして猫カフェをやろう!」と思いついた次の日に、
誰でもすぐに開業できる、というわけではありません。
まずはちょっと長くなりますが
猫(動物系)カフェを開業しようと思ったら、
営業許可申請に必要になってくる「資格」についてお話しますね。
猫(動物系)カフェを経営するためには、
動物取扱責任者や、食品衛生責任者などの資格を取得し、
「第一種動物取扱業」の登録と、「飲食店営業許可」の取得が必要になります。
カフェを運営する場合には調理業に該当し、
飲食物を提供するには、食品衛生法により食品衛生責任者を1名置くこととされてます。
こちらの講習を受けるためには、各都道府県の「食品衛生協会」での受講の予約が必要になります。
ただの「カフェ」であれば、食品衛生責任者だけでよいのですが
「猫(動物系)カフェ」となると飲食の提供だけでなく、動物とのふれあいを提供する店となり、
営利を目的として動物を扱うため「第一種動物取扱業の登録」が必要になります。
第一種動物取扱業の登録申請するには動物取扱責任者が必要になり、
常勤する職員から専属として選任し、事業所ごとに1名以上を配置することとされています。
営業する前に、都道府県知事または政令市の長の登録を受けなければなりません。
また、動物取扱責任者は、
都道府県等が開催する「動物取扱責任者研修」を一年に1回以上受ける必要があります。
動物取扱責任者は、猫カフェのオーナー自身か、
あるいはオーナーが選任した人がなることができます。
動物取扱責任者は、次の要件のいずれかに該当する者から選任しなければなりません。
2.愛玩動物看護師免許の取得者
3.実務経験(又は飼養経験) + 教育機関の卒業
4.実務経験(又は飼養経験) + 動物に関する資格
そして各自治体が認めている動物に関する資格については、主に以下のものがあります。
愛犬飼育管理士(ジャパンケンネルクラブ)
愛護動物取扱管理士(新潟県動物愛護協会)
公認トリマー
公認動物看護士
公認家庭犬訓練士
公認動物介在福祉士 (以上 全日本動専門教育協会)
公認馬術コーチ (日本スポーツ協会)
小動物飼養販売管理士 (ペットサービスグループ)
乗馬指導者資格(中級) (全国区乗馬倶楽部振興協会)
JAHA公認家庭犬しつけインストラクター(日本動物病院協会)
認定動物看護士 (動物看護師統一認定機構)
上記のものは、取得すれば「販売」「保管」「貸出」「訓練」「展示」
すべてが認められているものです
上記のように、「動物取扱責任者」の選任の条件として、自治体から認められている「資格」はいろいろあるのですが、
これらの資格を取得するための「受験資格」として、専門的学校などにて1年以上の実技を修了しているか、推奨したカリキュラムを修めていることが必要なものがほとんどです。
今、学生さんとして専門学校などに通う年齢であれば良いのですが
ある程度社会で働き、脱サラして・・・とかになれば
これから専門的学校へ通うには、1年以上の時間と、それなりの費用がかかってしまいますよね。
ですが上記の資格の中で、
専門的学校に通っていなくても、通信講座のみでリーズナブルに
しかも1年以内に受験が可能なものが下記の3つになります。
◇ 愛玩動物飼養管理士
◇ 小動物飼養販売管理士
◇ 愛護動物取扱管理士
では、この中でどれを受講・受験したらよいのか?
それぞれの受講内容などをまとめてみました。
ちなみに私は
「愛玩動物飼養管理士」の資格を取得しています。
「愛玩動物飼養管理士」と「小動物飼養販売管理士」どちらがよい?
「愛玩動物飼養管理士」と「小動物飼養販売管理士」は受講内容などよく似ています。
設立
受験料
申込期間
受講期間
受験日
受験地
登録料
更新
受講内容
上記の内容について、それぞれを比較してみました。
自分が受講・受験した「愛玩動物飼養管理士」のほうがおススメですが
「小動物飼養販売管理士」の運営を邪魔するつもりもありませんので・・・
どちらが良いか?
どちらが受けやすいか?
それは、ご自身が決めてくださいね
〇 愛玩動物飼養管理士 2級:(以下、愛玩動物)
〇 小動物飼養販売管理士:(以下、小動物)
運営団体名
設立
受験料
小動物飼養販売管理士の受験料
ちょっと前までは25,000円だったのですが・・・
2022年3月1日より30,000円に変更になりました
申込期間
受講期間
受験日
受験地
受験地は、愛玩動物飼養管理士(春期)のほうが多いので
地方にお住まいの方は、こちらのほうが受けやすいですね
登録料
更新の有無
受講内容
申込先
愛玩動物飼養管理士に興味を持たれた方はコチラ
小動物飼養販売管理士に興味を持たれた方はコチラ
愛護動物取扱管理士について
ちなみに。
今回、比較しなかった愛護動物取扱管理士の資格は、
平成19年に一般社団法人新潟県動物愛護協会が認定を開始されたもので、「令和3年度は受付終了、4月より令和4年度の案内ができる予定」とのことで
現在、ホームページ(応募)が閉じられています。
2022年4月現在、
「令和4年10月6日(木) 新潟県自治会館にて試験を実施する」という案内が出ています。
ただし、「コロナ禍」のため、中止を含めた変更もあるかもしれないとのこと。
【受講内容】
動物愛護に関する知識 (日常の活動に不可欠な知識)
愛護動物に関する法令 (日常の活動に関する知っておくべき法令
愛護動物の疾病と繁殖に関する知識 (疾病・繁殖に関する基礎知識)
人と動物の公衆衛生に関する知識 (共通感染症予防・基本的知識と現行の施策)
動物の栄養学に関する知識 (栄養素の性質・作用など基礎知識)
動物行動学に関する知識 (ペットの習性、特性、しつけなど日常活動に不可欠な知識)
毎年1回(秋ごろ)行われている講習会(2022年は10月6日)を受講し、
試験に合格することです取得することが可能
受験資格として、
義務教育を修了していて、動物に関する幅広い知識と適正な取扱いについて勉強したい方。となっています。
試験までの流れは、
(1)申込書の受理後、テキストが送付されてきます。
(2)テキストが到着したら各々で自学自習します。
(3)当日、まずテキストに基づいて講師が各科目の要点を講習します。
(4)ついでそのまま、50問の四肢択一の筆記試験が行われます。
受講料、受験料 25,000円
認定登録料 5,000円
ホームページには書いてませんでしたが、過去に受けられた方の情報を見ると、
定員は80人 定員となり次第受け付けは終わってしまうとのことです。
猫カフェを開業したいなぁ、と思ったら(まとめ)
猫カフェを開業するためには、
営利目的で動物を扱うため、「第一種動物取扱業の登録」が必要になってきます。
その際に必ず選任しなければならないのが「動物取扱責任者」です。
その要件を満たす「動物に関する資格」である
〇 愛玩動物飼養管理士(東京)
〇 小動物飼養販売管理士(大阪)
〇 愛護動物取扱管理士(新潟)
について紹介しました。
愛護動物取扱管理士(新潟)は、
新潟県外にお住まいの方は、ちょっと受験しにくいかもしれません。
脱サラして、
リーズナブルな料金と(専門的学校へ通うより)短期間で取得できる資格ですが、
それでもやはり、資格の取得までに半年くらいの時間がかかります。
そこから、動物取扱責任者の登録から、営業許可などの申請諸々。
「(保護)猫カフェやるぞ!」と思っても、次の日に開業することはできません。
もし今、「将来、猫カフェやりたいなぁ」と思っているのであれば、
どちらの資格も取得後には「更新」の必要がないので、
時間のあるうちに取得しておくほうが良いですね。
愛玩動物飼養管理士(東京)と小動物飼養販売管理士(大阪)は、受講内容などほぼ同じですが、
受験地の点では、
地方にお住まいの方は「愛玩動物飼養管理士」のほうがダントツで受験しやすいと思います。
受講料などは小動物飼養販売管理士のほうがやや安いですが
受験地までの旅費を考えると
愛玩動物飼養管理士のほうが安く取得できます。
あと、私的には命を売り買いするイメージになる「小動物飼養販売管理士」というネーミングより、
やっぱり「愛玩動物飼養管理士」というネーミングのほうが好きです(苦笑)
「管理」というのもなんとなく上から目線的な単語で、あまり好ましくない気もしますが。
また、愛玩動物飼養管理士の受講生数は毎年約1万人と、
ペットの資格の中で国内最大規模を誇っています。
国や地方自治体の事業への協力を積極的に行っているので、
行政からの信頼も厚いのが愛玩動物飼養管理士資格の特徴になります。
こちらの記事では
愛玩動物飼養管理士について
もう少し詳しく紹介しています
あと、余談ですが、
営利を目的として動物を扱う第一種動物取扱業の登録の際に気を付けたいのが、
1つの業種ごとに登録手数料がかかるという点です。
猫とのふれあいの提供のみである「猫カフェ」の業種は「展示」のみの登録になります。
里親を募集するタイプの「保護猫カフェ」の場合、
顧客から預かった猫を保管し、ふれあいを提供しながら里親を探す営業形態となるため、
「保管」と「展示」の2つの業種を登録する必要がある場合もあります。
違反をすれば営業禁止などの厳しい罰則もあるので、
猫カフェの運営をはじめるなら注意したい点です。
各自治体によっては種別の判断が異なることもあるようなので、
必要な届け出については、
開業する各自治体の保健所などに事前に確認する必要があります。
また、愛玩動物飼養管理士2級を取得すると、
「ペット共生住宅管理士」の検定を受けることもできます。